飲食店をはじめ、調理場を備える施設にはたいていの場合設置されている装置「グリストラップ(グリーストラップ)」。
このグリストラップは、調理の際に排水に含まれる、食材の油や脂肪が排水詰まりを引き起こすのを防ぐ役割を果たしています。
しかし、飲食店や調理にかかわる多くの人が
「グリストラップの清掃はどうしたらいいの?」
「グリストラップから嫌なにおいがしてきたけどどう対処すればいい?」
などの様々な疑問を抱えていらっしゃいます。
そこで、この記事では誰でも簡単に実践できるグリストラップの清掃方法をご紹介します。
調理場を清潔で快適な状態に保つために、ぜひ試してみてください!
目次
1.「グリストラップ」とは
グリストラップは、キッチンの排水口に取り付けられる装置で、食材の油や脂肪が排水詰まりを引き起こすのを防ぐために使用されます。
名前の由来は、“グリース(grease)”(油脂)と”トラップ(trap)”(捕集装置)という言葉を組み合わせたものです。
「捕集装置」とは、その名の通り、液体や固体などを取り込んで保持する装置のことです。グリストラップの内部は特殊な構造で作られており、排水から複数の段階を経て固形物や油、脂肪などを排除する仕組みになっています。その仕組みによって、油や脂肪が排水管に流れ込んで詰まりを引き起こすのを防いでいます。
調理場で調理を行うと、調理油や調理中に発生した油分が洗い物や排水によって排水口に流れ込みます。
これらの油や脂肪は液体の状態で流れても、冷えると固まったり、排水管内で沈着したりすることがあります。その結果、排水詰まりや臭いの原因となる可能性が出てきてしまいます。
それを防ぐために設置されているのが、グリストラップです。
グリストラップは特殊な構造を持っており、油や脂肪が排水管に進入する前に捕まえる役割を果たします。
一般的なグリストラップは、内部にバスケット(カゴ)があり、油や脂肪を集めて固形物と一緒に保持します。そして、油脂分の少なくなった液体は排水管を通り抜け、固形物はグリストラップ内部に留まる仕組みになっています。
こうして、油分や脂肪を含んだ水が、そのまま排水に流れ出るのを防ぐ役目を果たしているのです。
グリストラップには定期的な清掃とメンテナンスが重要です。
清掃を怠ると、グリストラップ内部に固形物がたまり、効果が低下したり、悪臭や詰まりの原因になる可能性があります。定期的な清掃を行うことで、グリストラップは効果的に機能し続け、調理場だけでなく、施設内全体の衛生状態を保つことに役立ちます。
キッチンでの調理活動や洗い物の際に、油や脂肪が排水詰まりを引き起こさないようにするために、グリストラップの設置と定期的な清掃が重要な役割を果たします。
以下を参考にして、清掃を行ってみてください!
2.準備するもの
グリストラップを清掃する前に、いくつかの準備をしましょう。
以下のものを準備してください。
- ゴム手袋
- エプロン(ビニール素材のものが◎)
- 長めの柄付きの網(専用のものも販売されています)
- ゴミ袋
- 中性洗剤
- ホース
- 新聞紙やビニールシートなど(清掃時の汚れを防ぐため)
3.グリストラップ内のゴミを取り除く
最初に、グリストラップの蓋を取り外します。
通常、グリストラップはネジやクリップで固定されています。取り外しの手順は、各メーカーやモデルによって異なる場合があるので、取り扱い説明書を参照しましょう。
蓋が外せたら、まず初めに全体の大まかな汚れをザルを使ってすくい取っていきます。
すくい取った固形物はゴミ袋にまとめておきましょう。
全体の大まかな油分がすくい取れたら、次にゴミ受けのカゴを中性洗剤を使用して洗浄します。
そしてホースを使用し、全体の汚れを洗い流していきます。
きれいになったら、グリストラップの蓋を戻して作業は完了です。
4.定期的なメンテナンスの重要性
グリストラップを清掃するだけでなく、定期的なメンテナンスも重要です。
一般的に、グリストラップ内部の清掃はは1〜3か月ごとに実施する必要がありますが、使用頻度やキッチンの状況によってはもっと頻繁に行う必要がある場合もあります。
また、ゴミ受けのカゴの清掃は、毎日行うことが理想です。
期間が開いてしまうと、どんどん汚れが溜まりお手入れが大変になってしまいます。
こまめにメンテナンスをすることで、詰まりや臭いなどの問題を防ぐことに役立つでしょう。
5.グリストラップの汚れを予防するために
グリストラップの清掃だけでなく、予防策も重要です。
食材の油や脂肪を排水口に流す前に、できるだけキッチンペーパーやペーパータオルで汚れを拭き取って、排水に流れないようにすることで、グリストラップに流れ着く油や脂肪分を軽減することができます。
また、油やゴミを流さないようにするために、食器や調理器具を洗う前にしっかりとスクレーパーでこすって油やゴミを取り除くことも効果的です。
排水口には目の細かいゴミ受けを使用し、ゴミ受け用のネットなどをかぶせておくことも重要な対策の一つです。
6.京都・滋賀・大阪|落としきれない汚れは、プロの助けを借りる
ここまでグリストラップを従業員の方ご自身で清掃する方法をお伝えしてきました。
しかし、通常の業務で忙しい中、グリストラップの清掃やメンテナンスが難しい場合もあると思います。
問題が解決しない場合は、プロの清掃業者に相談することをおすすめします。専門の知識と機材を持った業者に依頼をすれば、迅速かつ効果的な解決策を提供してくれます。
テクニカルメンテナンス京都は、介護施設やホテル、食品加工工場など、グリストラップの清掃においても多数の実績があります。
従業員の方だけでは落としきれない汚れや、詰まり・臭いなど、急なトラブルが発生した際にも、可能な限り迅速に対応いたしますので、お困りの際はご相談ください。
グリストラップの清掃は、調理場だけでなく、店舗や施設全体の衛生状態を保つために非常に重要なものです。
定期的な清掃とメンテナンスを行うことで、グリストラップの効果を最大限に引き出し、詰まりや臭いの問題を予防できます。
自分で清掃する際には、あらかじめ準備を万全に行い、適切な道具と洗剤を使用しましょう。
また、予防策の実施と必要に応じてプロの助けを借りることも重要です。
グリストラップの効果的な清掃と予防策の実施により、業務の生産性の向上や顧客の満足度の向上にもつながります。
清潔な環境を提供し、詰まりや悪臭といった問題を最小限に抑えましょう。
以上が、グリストラップを自分で清掃する方法についてのガイドです。
衛生管理を最優先に考えながら、清潔なキッチンでおいしい料理を楽しみましょう!
また、グリストラップの清掃やメンテナンスに取り組む際には、個々の製品の取扱説明書を確認し、メーカーの指示に従ってください。